事故・傷害部
弁護士永渕 友也
2018.04.25
交通事故
Q
A
まず、交通事故で負った怪我の治療であっても健康保険は使えます。健康保険で治療を行う場合、治療費の7割分を健康保険の保険者(健康保険協会 市町村等)が負担し、3割分を被害者が負担することになります。ご質問の事案では、被害者が負担する3割分を加害者側の任意保険会社が負担することになると思われます。
ご質問の事案で健康保険を使わなかった場合と使った場合に分けて、最終的に受け取れる賠償金の額を、治療費以外は同一の条件でシミュレーションしてみます。
健康保険を使わなかった場合は、治療費100万円・慰謝料100万円・休業損害50万円・過失10%・既払い金150万円(治療費・休業損害)という条件では、最終的に受け取れる金額は75万円となります。
一方で、健康保険を使った場合では、治療費が30%になりますので、治療費30万円・慰謝料100万円・休業損害50万円・過失10%・既払い金80万円(治療費・休業損害)を前提に計算すると、最終的に受け取れる金額は82万円になります。
このように被害者の方にも過失が認められる事案では、健康保険を使って、治療費を抑えた方が最終的に受け取れる賠償金(示談金)は、原則として高額になります。