グレイスに入所する前のキャリアを教えてください。
最初に入所した事務所は、日経ビジネスのビジネスローヤーランキングでも上位に入るような事務所でした。クライアントも一部上場企業のお客様が多く、ほぼ100%企業法務の案件を行っていました。
ある程度の経験をさせていただいた後に日本有数の商社に2年半ほど出向させていただきました。法律事務所で勤務していては知り得なかった、法律事務所に相談がくる前の営業担当と法務部の議論や、会社内部での意思決定過程や、特に、大きな案件における社長も含めた議論に至る根回し・社内政治等、社内の力学に実際に触れることができたのは得難い経験でした。
弁護士が「法律で規制されているからダメですよ」と言うのは簡単なことです。しかし、必死に何とか新たなビジネスを生み出そうとしている同じ会社のメンバーの熱量を目の当たりにすると、何とか実現する方法はないものか、法律や判例の解釈を争う余地はないか、と一緒に考えるようになり、簡単にダメ出しをするのではなく、ビジネスを実現するために一緒に考える習慣が自然と身についたように思います。
その後、国内の法律事務所で勤務した後に外資系のいわゆるビッグフォーと呼ばれる会計事務所系の法律事務所で勤務しました。海外案件や、国の大きな案件に携わることもあり、非常に大きな経験であったと思います。
前の事務所から移籍したきっかけや、グレイスに魅力に感じたことを教えてください。
外資系事務所では、金融商品を税務・会計・法務等の様々な角度を含めてパッケージした商品として、売り出していました。弁護士の作業としては、国や州ごとに異なる法規制のリサーチが主で、紛争の案件や、クライアントの新しいビジネスのサポートという作業は少なかったため、自分の性格的に楽しんで続けられないと思った点があります。
もう一点、これまで経験した事務所は地盤が強固な事務所が多かったこともあり、事務所サイドが営業することが一切ありませんでした。それはそれで、物凄く恵まれていることなのですが、自ら業務を拡大していく等、自分の力でクライアントを獲得するといった勉強を、弁護士として、もっとすべきではないかと考えていました。
そんな中、グレイスは新規顧問企業の獲得に力を入れていて、WEB展開も含めて実際に順調に顧問獲得数を伸ばしている勢いを感じ、興味を持ちました。
グレイスでの働き方や、前の事務所との違いについて教えてください。
これまでと大きく違うのは、弁護士は昼過ぎから出てくるという事務所もある中で、グレイスは8時台から全員揃っての朝礼があったり、WEB戦略を含めて、今後のビジネス拡大に向けて全ての弁護士が定期的に会議に参加したりする機会があることです。
法律事務所というよりはクライアントでもある一般企業に似た文化や職場の雰囲気があります。例えば、事業部制を採用していたり、総務部やWeb制作チームがあったり、キックオフミーティングがあったり、関連する法人が多数あったり、個人や自らが所属している部門の実績もシステムでオープンにされています。
もちろん数字だけが全てではないですが、一つの指標として分かり易く評価されるので、やりがいに繋がる側面もあると思います。
現在の業務についての内容と、やりがいを教えてください。
まったく新規のご相談からその場で顧問獲得をする事務所というのは少ないと思うのですが、一つの法律相談から、長きにわたる顧問業務を見据えて動き始めるというところは一つのやりがいであると思います。
案件の種類も多岐に渡っていて、私が担当している中でも一部上場企業もあれば個人事業主の方もいらっしゃいます。事業の成熟度によっては、基礎的な部分からアドバイスさせていただき、不要な争いに巻き込まれないよう徐々に形を整えていくという作業も面白いですし、法務部があるような大きな会社であれば、社内での意見を通しやすくするための意見書を作成する等、それぞれのフェーズでのニーズに関与できるのは面白いところだと思います。
法律事務所の移籍や、司法修習後の入所を考えている方へのメッセージをお願いします。
例えば、企業法務を専門にやっている事務所だと、ファイナンスやM&A等、分野が細かく分かれていて、所属する弁護士はその分野を専門にやっていくことが一般的です。
グレイスは企業法務部門、事故部門、家事部門の部門制を採っていますが、企業法務部から家事部に移った弁護士もおりますし、企業法務部内でも細かな分野にまで分かれておらず、一部上場企業から個人事業主まで幅広く、取扱い分野や業務も多岐にわたります。私のように幅広く色々なことをやりたい方には良い環境だと思います。
自分がやりたいと思う分野を開拓することを後押しする点に関しては、コミュニケーションツール・機会が非常に充実している点も挙げられます。例えば、所内のチャットや朝礼等で自分の興味のある分野や仕事の成果を発信し、アピールする機会が多いので、発信していると、アピールしている分野については皆が声をかけてくれるようになります。
そういったツール・機会が多くあることにより他の弁護士の動きも見えやすく、情報共有もできますので、色々なことをやりたい方だけでなく、専門分野を磨かれたい方にもマッチングするのではないかと思います。