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弁護士コラム
司法修習
2019.06.28
今回のコラムでは、法律についてではなく、司法試験に合格した後、弁護士になるまでに行われる司法修習についてお話したいと思います。
弁護士を目指す人は、まずは司法試験を受験しますが、司法試験を合格したからといってすぐに弁護士資格を取得できるわけではありません。司法試験に合格した後、約1年間の司法修習という研修を受け、その研修の最後に行われる司法修習生考試(いわゆる二回試験)に合格して初めて弁護士資格を取得できます。
弁護士を目指す人だけでなく、検察官及び裁判官を目指す人も全員同じ司法修習を受けます。この研修を受けている人を「司法修習生」といいます。そして、各司法修習生は、各県に派遣され、それぞれ裁判所、検察庁及び弁護士事務所での研修を行います。また、司法修習生の全員が埼玉県にある司法研修所というところで座学による研修も受けます。
よく誤解されるのですが、実は司法試験に合格しただけで裁判官、検察官、弁護士として働けるわけではないのです。司法修習を終え、その最後にある通称「二回試験」に合格してはじめて、裁判官、検察官、弁護士として働く資格を得ることができるのです。
裁判所の研修では、裁判官室で裁判官から直接指導を受けます。裁判を傍聴したり、起案をして講評を受けるなどします。弁護士になる場合、裁判官室に入り、裁判官と議論できる最初で最後の機会ともいえるため、極めて貴重な機会です。検察庁での研修では、実際に取り調べを担当するなど実際の事件に触れる機会もあります。弁護士事務所での修習では、弁護士の打合せに同席したり、起案をして講評をしてもらったりします。また、仕事後には食事に連れていってくださり、いろいろな経験談を聞いたりと仕事以外でも学びが多くあります。そして、弁護士になったあとも関係が続くこともあります。
その他選択修習といって、模擬裁判や強制執行への立会などこれら以外の研修もする機会があります。以上の研修が終わったあとは司法研修所でさらに研修を受け、最後に二回試験を受け、合格すれば晴れて弁護士となれます。なお、二回試験は、1日約7時間の試験が5日間行われる非常に体力的にも精神的にもハードな試験です。
以上、司法修習の簡単な概要です。制度そのものやその内容について、あまり知られていないかと思い、本コラムで紹介させていただきました。当事務所の弁護士がどのような研修を受けて弁護士となったかを少しでも知っていただけたかと思います。