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弁護士コラム
二回試験について
2019.03.26
弁護士の永渕です。5年間鹿児島で過ごし、昨年5月に東京に異動いたしました。
埼玉県出身ということもあり、久しぶりの関東に少しわくわくしつつ着任をしましたが、5年間で鹿児島のぽかぽか陽気に慣れてしまったのでしょうか、久しぶりの関東の冬は骨に染みるような寒さでした。
2月、3月といえば受験シーズンです。毎年数多くの受験生が己の目標に向かって格闘する中で、様々なドラマが生まれているように思います。
私たち弁護士にとっての受験シーズンは5月です。司法試験は5月の4日間で行われます。この4日間は、朝から晩まで試験のため、集中力を保つだけでも大変だったように思います。司法試験の合格発表は9月に行われ、合格した年の11月から司法修習という研修のような期間が1年間あります。
よく誤解されるのですが、実は司法試験に合格しただけで裁判官、検察官、弁護士として働けるわけではないのです。司法修習を終え、その最後にある通称「二回試験」に合格してはじめて、裁判官、検察官、弁護士として働く資格を得ることができるのです。
実はこの「二回試験」がなかなかの曲者です。5日間で5科目が行われます。1日1科目ずつ行うのですが、試験時間は朝から晩までで、なんと休憩時間がないのです。昼休みもありません。そのため、弁当を持ち込んで、席で食べながら試験問題を解くことになります。試験内容は、分厚い記録を読んで、ひたすら論文を書くというものです。長時間の試験のため、時間を気にせず問題を解くことができるようにも思えますが、分量が極めて多く、多くの受験生にとって時間が足りなくなります。そのため、試験時間中はひたすら記録をめくり、ペンを動かすことになります。試験が終わった後は、疲労困ぱいだったように思います。私にとって二度と受けたくない試験です。
さらに、この「二回試験」の合否の発表は、合格者では無く、不合格者の受験番号が張り出されるというもので、合格発表の日は、他の試験とは違う緊張感があります。
私も、何とか、「二回試験」に合格することができ、5年間鹿児島で、弁護士として執務をすることができました。その間、多くの出会いやご縁を頂き、鹿児島で働けたことを心より感謝しております。
現在は東京をメインに業務を遂行しておりますが、鹿児島に出張し業務に取り組む機会も少なくありません。何かお困りのことがございましたらいつでもご相談ください。
皆様に再びお会いできるのを楽しみにしております。