弁護士法人グレイス|鹿児島県弁護士会

法律Q&A vol.06

2017.09.25

相続問題

Q

遺言者の死期が迫っていて、
自ら遺言書を書いたり署名押印することができないときは、
どうすればよいですか。

A

死が切迫していて普通の方式で遺言することができない場合には、
特別な方式で遺言することが認められています(民法976条)。

遺言者の死期が迫っていて、<br>自ら遺言書を書いたり署名押印することができないときは、<br>どうすればよいですか。

遺言者の容態が急変したり突然の事故にあってしまったり等で、死期が迫っている場合には、遺言者が自ら遺言書を書いたり、公証人にきてもらうことも難しい場合があります。このように、死が切迫していて普通の方式で遺言することができない場合には、特別な方式で遺言することが認められています(民法976条)。この特別な方式による遺言を、「危急時遺言」といいます。そして、危急時遺言には、主として一般危急時遺言があります。

一般危急時遺言は、疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者について認められている遺言です(民法976条1項)。その遺言の方式は、(ⅰ)証人3人以上の立ち会いをもって、(ⅱ)遺言者がその証人の一人に遺言の趣旨を口授し、その口授を受けた者がこれを筆記し、(ⅲ)遺言を筆記した証人が、筆記が終わった後、これを遺言者及び他の証人に読み聞かせ、又は閲覧させ、(ⅳ)各証人がその筆記の正確なことを承認して署名・押印する方式です。

なお、この方式によってした遺言は、遺言の日から20日以内に証人の一人又は利害関係人から、家庭裁判所に請求して、その確認を得なければ効力がなくなるので、注意が必要です(同条4項)。

回答した弁護士

弁護士碓井 晶子

ページTOPヘ